大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)614 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人の上告趣意について。

論旨第一点は原審で主張も判断もなされていないところであるばかりでなく、所

論調書の被告人の供述に所論摘示のような用語がつかわれているということがある

からといつて、その供述が任意になされたものでないとは即断できないし、原判決

の是認した第一審が所論調書中の記載の他に証人A、同B、同Cの公判調書中各記

載司法警察員作成の検証調書中の記載、医師D作成の各鑑定書をも証拠として、判

示事実を認定していることは判文上明らかなところであるから、憲法三八条二、三

項違反の各主張はいずれもその前提を欠き採るをえない。また論旨第二点は単なる

事実誤認の主張であつて、いずれも刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらない。

被告人の上告趣意について。

論旨に縷述するところは結局事実誤認の主張に帰するので刑訴四〇五条に定める

上告の理由に当らない。

そして記録を精査するも本件には刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二七年七月一〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

- 1 -

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!